タイヤに窒素を入れる効果とは?メリット・デメリットや充填する方法

この記事をシェアする

ガソリンスタンドで「タイヤに窒素」ののぼりを見て、気になっていた方も多いのではないでしょうか。

窒素ガスは実際効果があるのか、本当のところが知りたいですよね。

賛否の分かれるタイヤの窒素充填について、考えられるメリット・デメリットなど、詳しくご紹介します。

タイヤに窒素を入れるメリット どんな効果がある?

タイヤの空気圧をチェックするメカニック

次の主なメリットについて、順に詳しく説明していきます。

  1. 空気が抜けにくい
  2. 空気圧の変化が起こりにくい
  3. 劣化を防止できる
  4. その他(ノイズ抑制・火災予防)

1.空気が抜けにくい

「空気が抜けにくい=空気圧が下がりにくい」というのが、窒素の一番のメリットと言われます。

乗用車のタイヤは、状況によって差はありますが、1か月で5~10%も漏れていくというデータがあります。そこでこまめな補充が必要となってきます。

条件にもよりますが、通常の空気充填に比べて窒素を入れたほうが空気が抜けにくく、2倍長持ちするという結果が出ています。そのため、空気の場合は2~3か月に1度の補充が必要なのに対し、窒素なら4~6か月ほどの頻度でOKとなります。※条件によって変わるので、点検は通常の空気と同じように必要。

次の図は、ブリヂストンの実験データです。

ブリジストンによる空気とちっその実験結果

室温60℃という過酷な環境下ではありますが、100日間で確実に差が出ていますね。

ところで、そもそもなぜ密閉されているはずのタイヤの空気は、時間の経過とともに抜けるのでしょうか。それは、タイヤの素材であるゴムの分子の中を酸素の分子が通り抜けるからなんです。

しかし、窒素は酸素よりも分子の動きが遅いため、通り抜けるのも遅く、そのため窒素は空気圧が長持ちします。

2.空気圧の変化が起こりにくい

ポイントは「水分」です。タイヤ内に水分が含まれていると、それが温度の変化に伴って蒸発したり水に戻ったりして体積が変化します。するとその度にタイヤ内の空気圧は変化しますので、乗り心地も変わってしまいます。

【例】水が気化するとタイヤ内の空気圧が上昇→軽快に走れるがスリップしやすく衝撃でガタつく

しかし、タイヤに窒素ガスを入れ直した場合、タイヤ内は空気を入れた時と比べて水分量が少なくなります。そこで温度が上昇しても空気圧の変化が少なく、操縦性が安定します。

さらに、常に適正な空気圧で走行できるということは燃費を良くする効果も。タイヤの接地面をベストに保つことが出来るので、転がる際の地面の抵抗を最低限に抑えられるからです。

F1マシンは「窒素」でなく「乾燥空気」

微妙な空気圧がレースに影響するF1の世界では、水分を取り除いた「エアドライ」が使われています。空気圧の計算を狂わせる”湿度”が無いので、どのような環境でも正確な調整が可能になります。ちなみに、以前は窒素を使っていたそうです。

3.劣化を防止できる

窒素は金属と反応しにくいので酸化しません。つまり「タイヤ内部の金属パーツが錆びない」というメリットがあります。

窒素をいち早く取り入れていたのは航空機のタイヤです。大勢の命を扱う航空機は、劣化のしにくさによる窒素の”安全性”に目をつけたんですね。

4.その他のメリット

ノイズが減る

窒素は音を抑えてくれる性質があり、ロードノイズが軽減され、静かに走行出来ます。

火災が防げる

バースト(タイヤの破裂)時など、火災を引き起こすリスクを軽減すると言われます。

このように、窒素タイヤのメリットは〈空気圧の安定とそれによる燃費の抑制〉や〈劣化防止〉を中心に、他にも様々な説があります。ただ、これらは化学的には根拠のある効果であっても、すべてが実証されているものではありません。

窒素タイヤのデメリット

一方のデメリットについては、「コスト」と「手間」の2点が考えられます。

コストの問題

窒素充填のコストは「初回2,000円~3,000円(4本)」が多く、それ以降の補充は無料のところと都度料金がかかるところがあります。

初回のみで済むならいいですが、毎回数千円かかるとなると少し痛い出費ですよね。

充填の手間の問題

全てのカー用品店やガソリンスタンドが窒素充填に対応しているわけではありあせん。

また、点検などの際には、「この車は窒素を補充している」という旨をきちんと説明しなければなりません。せっかく窒素で満たしてあるタイヤに、誤って普通の空気を補充されてしまったらもったいないですよね。

窒素を補充してあるタイヤということを知らせる専用の『バルブキャップ』も売っていますので、利用するといいかもしれません。

「N2(窒素)」と刻印されたバルブキャップ

「N2(窒素)」と刻印されたバルブキャップ 出典:amazon.co.jp

窒素は補充をさぼりがち?

「窒素タイヤは空気圧が抜けにくい」ということに安心して、つい補充を怠ってしまうという人も多いようです。結果、空気圧不足で、かえって燃費の悪いまま走行している可能性があります。コストやお店が限られることも足が遠のく理由でしょうか。

タイヤの窒素充填。効果を疑問視する声も……

タイヤに窒素を充填することについては、大手のタイヤ専門店の公式ページなどでも大々的に推奨されています。一方で、効果を疑問視する声も多くあります。

その一番の理由に、「もともと空気の成分はほとんど窒素である」ことが挙げられます。

そもそも空気の80%が窒素

空気のうち、約8割がもともと「窒素」であり、残りの20%を窒素に換えても劇的な効果は出ないと言われてます。

実はその効果、新しいタイヤのものだった?

タイヤに窒素を初めて充填するタイミングとして、「タイヤを購入した時に、店員さんにオプションとして勧められて……」というものが多いです。そのため、新しいタイヤの効果を実感して、窒素による効果と錯覚するドライバーもいます。

また、ポジティブな宣伝による思い込みということもあります。ただの水でも”薬”と言って飲まされると効果が出たように感じるようなもので、心理学で『プラシーボ効果』といいます。

空気と窒素の正確な違いが分かるようにするには、まずは通常の空気を適正な量充填して走行し、ベストな乗り心地を知ってから窒素に交換することが必要です。

乗用車のレベルでは効果を感じにくい?

もともと航空機やレーシングカーなどで実用されてきた窒素ですが、それらの”微妙な違いがものをいう”シビアな環境だからこそ効果が実感できるのであって、乗用車のドライバーにとっては変化は大きくないかもしれません。

航空機は温度差や気圧の変化によるダメージを受けますが、自家用車がそのように過酷な環境に置かれることはあまり考えられません。道路でレースのように高速で走ることもありません。

その他にも、こんな意見がある!

・タイヤの分子の間以外からも、空気は抜けていくことがあります。その分はいくら窒素を補充してあっても防げません。窒素なら抜けない!というわけではないんです。

・「酸化しにくい窒素によってタイヤの劣化が防げる」という点ですが、実際は、タイヤの内部の劣化より溝の摩耗やタイヤの寿命の方が早かったりします。

・酸素よりも若干軽い窒素は走行音の音質を微弱に変えますが、音量には変化がないと言われています。

・窒素の不燃性により火災を防ぐという効果もよく言われますが、内側が不燃性の気体で充たされたところでタイヤの外側は空気なので、これも真偽は分かりません。

こうした点から、「タイヤの窒素充填はビジネスのために車業者がすすめているもので、実際の効果は期待できない」とする意見もあります。

ディーラーも半信半疑??

とある外国車のディーラーに実際に聞いてみたところ、「よい面もあるだろうけれど、窒素は未だに純正採用されておらず、自動車メーカーは空気を指定空気圧分だけ入れるように指導している。それを考えると大幅に優れているとは思えない。意味のあるサービスなのかな……」との疑問が。

一方で、「とにかく一度自分の車で試してみるといい」と言っていました。

窒素を入れる方法や場所

窒素を入れたいときは、以下のような場所を頼りましょう!

  • タイヤ専門店
  • カー用品店(イエローハットなど)
  • 一部のガソリンスタンド

【例】オートバックス・カーポートマルゼン・イエローハット

まずは近くに取り扱い店舗があるか調べてみましょう。

充填方法は、タイヤ内の空気を一度すべて抜き、ぺしゃんこになったタイヤに窒素を充填します。1本につき、5~10分かかります。

まとめ

効果を疑問視する声も多い窒素ですが、実際に「走行音が静か」「空気が減らない」という実感をお持ちのユーザーもいます。また、航空機などに採用されているという実績もあります。

反対にデメリットはほとんどありません。

近くのお店で「タイヤに窒素ガス」の看板を見つけたら、一度ご自身の車で試されてみてはいかがでしょうか。

その際は、出来るだけコストが「初回のみ」であることが望ましいですね!

タイヤを買った時など、特典として窒素の充填サービスを受けられて、かつ以後も補充が無料なら、入れてもらって損はないでしょう。

スポンサーリンク
carmuseの最新記事をお届けします!
いいねしてチェックしよう♪

この記事をシェアする

フォローして最新記事を見る