スバル・WRX STIが2019年にも全面改良を受けると予想されています。
WRXシリーズのトップグレードモデルに君臨するものの、プラットフォームやエンジンなど古さが目立ってきた感は否めません。
どのような進化を遂げるのか、詳しくご紹介していきます。
この記事の目次
東京ショー2017で新型WRXを暗示するコンセプトを公開
スバルは東京モーターショー2017で「VIZIV PERFORMANCE CONCEPT(ヴィジヴ パフォーマンス コンセプト)」を公開。
アイサイトを核とする高度運転支援技術を搭載したハイパフォーマンス・スポーツセダンのコンセプトです。
次期WRX(S4およびSTI)に発展するモデルとみられています。
コの字型のヘッドライトやダクト付きのボンネットなど、現行モデルの面影も感じさせますが、“DYNAMIC×SOLID”に基づくスバルの最新デザイン言語を導入し、洗練されたスタイリングとなっています。
▼VIZIV PERFORMANCE CONCEPT デザインの特徴
- ダイナミックな躍動感とソリッドな塊感
- ワイドなヘキサゴングリル
- 先進的な”コの字型”ヘッドライト&リアコンビランプ
- 洗練されたエンジンフードのエアインテーク
- 大開口のフロントバンパー&フォグランプベゼル
- 張り出した前後ワイドフェンダー
現行モデルとコンセプトを画像で比較
▼現行WRX STI
▼VIZIV PERFORMANCE CONCEPT
東京オートサロン’18に「VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT」 を出展
2018年1月に開催された東京オートサロン2018では「SUBARU VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT」を出展。
VIZIV PERFORMANCE CONCEPTをベースとした”STIバージョン”です。
空力性能を考慮したスタイリングやレッドのアクセントラインなど、ハイパフォーマンスモデルらしいエクステリアがかっこいいですね。
このコンセプトがお披露目されたことで、さらに新型WRX STIへの期待が高まりました。
▼VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT デザインの特徴
- フロントグリルに”STI”ロゴ
- 赤のアクセント加飾
- 専用フロントバンパー&エアインテーク
- 専用リアバンパー
- 専用サイドシルスポイラー
- 専用リアスポイラー
市販型はここまで派手ではないと思いますが、基本的なデザインは色濃く反映されると予想。
ボディサイズを比較[現行モデルとコンセプト2台]
※単位:mm
モデル名 | 全長 | 全幅 | 全高 |
VIZIV PERFORMANCE CONCEPT | 4630 | 1950 | 1430 |
VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT | 4650 | 1950 | 1430 |
現行WRX STI | 4595 | 1795 | 1465 |
両コンセプトモデルは全長が20mm違うだけです。
現行モデルと比較すると全幅が200mmも大きく、2メートル弱もあるとは少し意外。
市販モデルでは1800mm前後に落ち着くでしょう。
スバル・グローバル・プラットフォームを採用
2016年にフルモデルチェンジしたインプレッサを皮切りに、新世代プラットフォーム「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」の採用車種を拡大するスバル。
一方、現在のWRXシリーズはベースとなるレヴォーグと同様、3代目インプレッサから使われていた「SI-シャシー(SUBARU Intelligent-Chassis)」の改良版を使っています。
次期WRXではSGPを間違いなく採用します。
SGPによって走行性能や快適性、安全性がグンと向上し、クルマ本来の愉しさが深化。スポーツモデルとしてさらなる高みへとすすみます。
新型WRX STIのパワートレイン
新設計エンジンを採用予定
新型WRX STIには、モータースポーツでの使用も前提に新設計した、FA20″DIT”エンジンが搭載される見込みです。
FA20型DITは、レガシィやレヴォーグ、WRX S4などに搭載されているエンジン。
STIへの搭載も噂されてきましたが実現しておらず、EJ20型ターボをいまだに積んでいます。
現行モデルに導入する予定だったものの、スバル内のリソース不足により次のフルモデルチェンジに持ち越しされたという情報もあります。
高出力・高トルク化された新エンジンに期待です!
トランスミッション・駆動方式
組み合わされるトランスミッションは、現行と同じく強化6速マニュアルトランスミッションを採用。
ちなみに、2ペダル仕様のS4は現在のスポーツリニアトロニック(CVT)を卒業し、多段ATへ変更される可能性が高いです。
AWD(全輪駆動車)システムは、STIに導入されている新電子制御マルチモードDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)を引き続き搭載。
S4はVTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)と変更はないものの、エンジンスペックの向上に合わせて次世代版にバージョンアップされる見通しです。
次期WRX STIにはいよいよアイサイトを搭載
現在はS4だけに搭載されている先進運転支援システム「アイサイト」が、次期WRX STIにはいよいよ搭載されます。
実際にオートサロンで展示された「VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT」 にはステレオカメラを装備。
また森宏志開発本部長は、アイサイトとマニュアル車を組み合わせる技術的な難しさに触れたうえで、実装することの重要性と開発を進めている旨を話しています。
発売日情報
スバルのモデルサイクルから逆算すると、新型の発売は2019年が予定されています。
しかし、2020年にずれ込むという予想も。
というのも、2020年に導入を計画していた次世代アイサイトの開発に遅れが生じているらしいのです。
実際には、基本設計を共有するレヴォーグとS4とともに2019年に前倒しでフルモデルチェンジするとみられていましたが、手がかかるSTIは後回しになる可能性が高いというわけです。
まだまだどう転ぶか分からない状況ですが、進化したWRXを首を長くして待ちましょう。